2013年01月28日

真のメンターに巡り合う方法

 いままで、キャリアカウンセラー、キャリアアドバイザーあるいはメンターとして、主に、研究者、技術者および工学部の学生・大学院生の相談にのってきた。その中で、クライエントから良い質問があった。「良いメンターとはどうめぐり逢えばよいのか。」でした。ちなみに、メンターとは、「仕事、キャリアあるいは人生に対して適切なにアドバイスをしてくれる人」と定義され、語源は、トロイ戦争に出てくる名教師の名前に由来している。メンターに期待することは、概ね次のようなケースである。
 @今後のキャリアパスの参考にしたい。
 A仕事、キャリアあるいは人生で困ったときにアドバイスしてほしい。
 B仕事や人生に対するスタンスや考え方のヒントを与えてほしい。

 従来のメンターは職場の上司や先輩が一般的だったようだ。最近、成果主義などの人事制度を導入する企業が増えたり、メールへのコミュニケーションの代替化が進み、先輩や上司とじっくり話す機会が少なくなっている。いくつかの企業では、メンター制度を人事制度に組み入れている。役員自らメンターになったり、選抜された優秀な人材をメンターに指名したりしている。社長にもメンターに近いコーチがついている時代だ。ある意味では、企業の求める成果に一歩近づけるかもしれないが、真のメンターになっているのだろうか。

 少しでも参考になればと思い、私がめぐり逢ったメンターについて例をあげて何人かを紹介する。入社時には、エンジニアの卵として、一対一ではないが、技能エキスパートであったり、設計のエキスパートであった。2年間メンターを付けてもっらった。しかし、真のメンターは、企業で指名されたエキスパートの方々だとは思わなかった。その責任者である技術部門長を、私自身が勝手にメンターと思い、実習ノートで本音の意見交換をしていた。理由は、実習に対して想いが一番強い人だったからだ。製品の生産設計時には、設計部門の上司や先輩ではなく、電気関係を専門とする他部門のプロジェクトリーダーをメンターと思い、ディスカッションしていた。理由は、真の目的は何かの意味で、書いた図面の線一本一本の意味を質問してもらい、専門外の人から視点を変えて、設計とは何かを教えてもらった。マーケティングや人生についてなど、まだまだ、場面場面で別の多くのメンターを勝手に指名したものだ。

 良いメンターにめぐり合うためにはどうすればよいと思うか。ジャックウェルチの新刊書の「私ならこうする(日経新聞社)」を読んでいたら、今回のテーマへのジャックウェルチの回答が、私のメンターそのものであったことが理解できた。つまり、「最高のメンターとは、会社が作る制度のようなフォーマルなものではない。社内の人間であろうとなかろうと、同じ仕事についていようがいまいがこだわらなくてよい。喜んで教えてくれる人からあらゆる機会を捉えて学ぶこと、それこそが真のメンターなのだ。」ということに共感できた。なお、私自身が多くの方々からヒントやアドバイスをしてもらった感謝の気持ちとして、私も、強い希望をもったエンジニアのメンターを引き受けている。

<スピード発想術書籍URL>
 http://gihyo.jp/book/2010/978-4-7741-4106-0
<エンジニアの生き残りのヒントがいっぱい!「ぷろえんじにあ」のHP>
 http://www.proengineer-institute.com/
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2013年01月19日

TRIZを活用する課程で地頭力は鍛えられる

 みなさんは、「優秀さ」という意味をどう解釈するだろうか。どこそこ大学を優秀な成績で卒業したというのが日本の企業の判断軸であった。なぜなら、企業の新卒採用で「指定校制度」というのが慣習として長い間存在していた。建前上は肯定しないが、現在も顕在のようだ。特に技術系では、人事担当者の言い分として、大学の教授のご機嫌を損ねると学生を推薦してくれないということのようだ。言い方を換えると、人事の役割を放棄してしまっていることと同じだ。

 優秀さ(頭がいい)というのは、どういうことを意味するのだろうか。例えば、細谷功氏が、Think(東洋経済新聞社)の中で、フェルミ推定という視点で「優秀さ(頭がいい)」を3軸で定義している。1軸目が「知識量」、2軸目が「機転が利くこと」、3軸目が「地頭力」としている。知識量は記憶力であり、機転が利くことは人の気持ちを瞬時に察して行動できることであり、地頭力は環境変化に対応して問題を解決できる能力である。この中で、地頭力の鍛え方が重要なのである。

 「地頭力」について、もう少しブレークダウンしてみよう。地頭力には、ロジカルシンキングの左脳思考と発想や感性の右脳思考の両者を兼ね備えていなければならない。前出の細谷功氏の言葉を借りれば、「地頭力」とは、@結論から考える「仮設思考力」、A全体から考えるフレームワーク思考力、B単純に考える「抽象化思考力」とされている。

 従来、左脳思考力であるロジカルシンキングについては、体系化され教育されMBAなどで訓練されてきた。しかし、右脳思考力については、あまり的確に提言されてきたものがない。私は、ここに「地頭力」の鍛える方法として、TRIZの活用を薦める。なぜなら、TRIZには、仮設思考力とほぼ同じに活用できる「究極の理想解」、ものごとをシステムと捉え全体像から俯瞰する「9画面法」、「一般化(抽象化)≒目的展開(機能展開)」というツールが用意され、訓練できる環境にある。左脳と右脳のコラボレーションこそTRIZの差別化要因であると考える。


<スピード発想術書籍URL>
 http://gihyo.jp/book/2010/978-4-7741-4106-0
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2013年01月15日

阿川佐和子さんの「聞く力」はハウツー本にあらず。生きるためのヒント

 12月27日のNHKの「朝いち」に阿川佐和子さんが出演していた。彼女が著した「聞く力」は、100万部を超え2012年のベストセラー書籍となっている。これだけ、基本的なコミュニケーション力に自信をもてない人が多いということなのか。裏話や本に書かれていないことが聞けるかもしれないと思ってテレビを注意深く観ていた。ベストセラーとなった要因として、友人たちが言うように、「阿川さんなら、話してもいいか。」と思わせていまうほど、信頼関係構築が上手い。話の中で、私も自分の体験したことと重ね合わせて考えると、いくつも腑に落ちることがある。。

 彼女が著した「聞く力」は、いわゆるハウツー本を書く目的で書かれてない。いままで、週刊文春でのいろいろなキャラクターの持ち主との対談、テレビ朝日のテレビタックルのビートたけしや個性的な論客たちを仕切る司会での経験則をまとめたとのことであった。その対談や司会で、成功例や失敗例から多くを学び、それをまとめて紹介したものと言っていた。より具体的な体験談であるので、多くの人に共感を与えたのかもしれない。謙虚で優しい眼差しの阿川さんの第一印象は、カウンセリング用語でラポール(信頼関係構築)を加速してくれるはずだ。

 番組の中で、「聞く力」のポイントをいくつか紹介してくれた。例えば、「面白がって聞く。」、「慰めの言葉は2秒後に。」、「安易に分かりますとは言わない。」、「相槌は人によって使い分ける。」など。そして、もう一つ皆に知って欲しい共感ポイントがあった。難しい上司やおじさんと上手くコミュニケーションをとる方法である。「褒めること」これにつきるようだ。「今日のネクタイ、似合ってますよ。」、「○○さんの笑顔は素敵ですね。」このように、何気ない会話の中に誉め言葉を入れると効果的だそうだ。雑誌の編集者から仕入れたとのこと。誰からも好かれる女の子に、その編集者も教えてもらったようだ。

 私も、大学の授業で、学生のモチベーション向上策の一つとして、「褒めること」の効果を実感した。通常の授業でも何か一つは褒めることにしている。そして、凄い仕掛けにもう一つ気づいた。例えば、プロジェクト型授業の最終報告会で、学部長、メーカーの商品開発部長などにコメンテーターとして講評をお願いしたことだ。第三者に褒めてもらうことは、非常に動機付け効果抜群でした。褒めた後に、仮に厳しい指摘を受けても、もっと勉強しなくちゃと思ってくれる。さらに、ノーベル賞の山中教授でさえ、亡くなった父に褒めてもらうのが今の一番の目標だと言っていたくらいだ。

【 ぷろえんじにあHP】
 http://www.proengineer-institute.com/

【 ぷろえんじにあweb画廊】
 http://www.ne.jp/asahi/proengineer/skasuya/
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2013年01月08日

就活の理想解とは 高校までの間に地頭力をいかに磨くかである

 私は、技術開発コンサルタントや大学講師以外に、10%ぐらいの割合でキャリアカウンセラーも兼務している。最近、就活者から藁をもつかむ真剣な質問が急増している。マニュアルに書かれたようなアドバイスは、就活入門者には有効でも、数十社もエントリーしている者には、呪いにもならない。ここで、かなり参考となると思われるので、古いかもしれないが本質的な課題を提供できる事例である。就活の理想解(あるべき姿)かもしれない。オイルショックのころ、ものづくり企業はパニック状態で、多くの企業が採用を激減させていた。現代と違って、就活のマニュアル本もキャリアカウンセラーも存在しなかった。唯一の参考資料が、大学の学生課が収集した先輩が書いたアンケート結果だ。当時、自動車会社を志望していたが、縁故採用以外はゼロであった。そこで、興味ある商品でなく商品開発や設計業の職種に志望を変えた。志望先に選択したのが、パナソニック、ソニーおよび工作機械メーカーであった。

 ここに逆転の発想を活用してみた。企業の求める人材とのマッチングで齟齬が生じないようにするには、そうすればよいか。マニュアル的な対応でなく、論文や面接では、自分の意思どおり、脚色せず応答した。その結果、工作機械メーカーは、役員面接まで進んだ。服装は、6月の蒸し暑い時期だったため、まだその文化のない時代にクールビズを実践した。別の学生がスーツにネクタイなのに対して、ノーネクタイで半袖シャツで臨んだ。全て本音の受け答えで通した。面接が進むにつれ、面接官の一人が、高校野球の話題を振ってきた。これで、脈があると感じた。その後、健康診断があり、係りの女性スタッフに試験の感想を聞き、「○○さんの試験結果は、トップクラスのようです。」を引出した。そして、合格通知が届いた。その数日後、パナソニックの役員面接があり、本音で応えてみたが、不合格通知が届いた。斬新な考えは認められず、求める人材と異なっていたようだ。

 最後に、飛ぶ鳥を落とす勢いがあった当時のソニーの試験を受けた。それは斬新なプログラムであった。筆記試験は、他社と似たような問題であった。違うところは、一次試験合格者に対して、保養所で合宿選考が組まれていた。その中で、専門面接とコンピテンシー(成果に直結する思考・行動特性)面接が組み込まれていた。さらに、マーケティング実践試験も課せられた。数人単位のチームに分かれて、あるテーマについて周辺地域の住宅を訪問する市場調査を行い、レポートを纏め上げるものだった。ここまでやれば、メッキは剥がれる。本音でしか立ち向かえない。そして、役員面接があり、その待合室で、30分ぐらい、人事担当者と数人で雑談をした。役員面接では、納得できる受け答えはできなかった。でも、合格通知が届いた。入社後、採用担当者と懇親会があり、役員前の雑談が、実は、コンピテンシーをチェックする本番の試験だったことが明かされた。さらに、実家の近所の人たちから、興信所の調査があったことも聞いた。子供のころの様子や家族や近所との関係などを詳しく聞かれたそうである。もう一つの謎が解けた。当時の大賀社長は、仕事の能力は最終学歴ではなく、中学、高校までの能力の方が重要だという説を唱えていたようだ。なるほど、地頭力を確実にチェックできれば、企業は必ず伸びていく。

 パナソニックやソニーの凋落は、多くの人々にとってもショッキングな出来事であろう。それは、主に経営者の選択と集中や投資などの判断力が大きな原因でああるが、人材開発の源流管理にも大きな問題が隠されている。つまり、企業への入り口である採用も企業の未来を左右している。就活に理想解はない。マスコミのムードや自身や家族の先入観で選択してもいけない。ありのままの自分を企業側に選んでもらうのも有効かもしれない。自身で選ぶにしても、企業に選んでもらうにしても、挑戦心、やりきる力、学習力、リーダーシップ力、課題解決能力などコンピテンシー(成果に直結する思考・行動特性)を、子供のころから、いかに磨くかにかかっている。例えば、「やりきる力」は、お客様や自分自身との約束を守ることも意味する。それで、信頼関係が構築でき、自信に繋がり、高い目標も達成できる。子供のころから培ってきた強みや好奇心などの自己分析と自分はどうなりたいかの真摯な想いを、紙に書き出し意識することから道は拓けるであろう。

【 ぷろえんじにあHP】
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