2009年12月28日

働く喜びとコミュニケーション

 ある団体の経営革新提言発表会の今年度の提言は、興味深いものでした。脳科学者、医学者、人類学者、経営者、心理学者の視点からまとめられていたのです。その中で、次の2点が、いまでも、引っかかっています。つまり、「協働作業」や「コミュニケーション」といった他者とのかかわり、および、報酬などの外発的動機付けではなく自発性や好奇心といった「内発的動機付け」が重要であるということでした。

 チンパンジーの研究で有名な、人類学者の長谷川真理子総合研究大学院大学教授の研究が興味深い。人には、「三項関係の理解」「動作模倣」「言語表現力」という3つの脳の機能があると言います。三項関係とは、「自分と誰かと何かのものの3つの間の関係の中で、人はお互いに見ているものを察して頷きあい、一緒になって持ち上げるなどの協働作業に移すことができる。」というものだそうです。チンパンジーの場合には、二項関係にとどまるらしいのです。 ロチェスター大学の心理学教授であるエドワード・デシ教授は、内発的動機付けにつながる、人が生得的に持っている心理的欲求(生理的欲求に対して)として、『自律性への欲求』『有能感への欲求』『関係性への欲求』の3つを上げています。有能感とは、コンピテンシーのことであり、関係性とは他者とつながっていたいということになります。

 ここで、思い起こされる理論があります。近代的組織論の提唱者C.I.バーナードによれば、組織成立の要件を次のように3つあげています。
 @目的達成に向かう貢献意欲(≒コミットメント)
  →そのためには責任と権限の明確化が重要
 A共通の目的
 Bコミュニケーション
確かに、責任と権限を明確化し、共通の目的を明確化すれば、建前上は組織は動くと思います。しかし、三番目の「コミュニケーション」がやっかいなのでしょう。どうやら、ここにコツがありそうです。

 学問的には、そうなのですが、これだけだと分かりにくいと思います。そこで、この考え方を具体的に実践してみたわけです。例えば、次のようなことが分かったわけです。成果主義の考え方だけですと、個人主義に陥り、組織として成り立たなくなってしまいます。最近では、やはり、チーム力が重要だねという考え方に戻ってきているのではないでしょうか。もう少し分かり易い例を示すとこうなります。私は、最近、セミナーのプログラムの中に、チームディスカッションを意識的に多く配分するようにしています。こうすることで、「協働作業」、「他者への関係性(コミュニケーション)」、「内発的動機付け(目的達成に向かう貢献意欲)」などが励起され、達成感や満足感が向上できています。これは、アンケートによっても裏づけられています。

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posted by proengineer at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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