2013年01月08日

就活の理想解とは 高校までの間に地頭力をいかに磨くかである

 私は、技術開発コンサルタントや大学講師以外に、10%ぐらいの割合でキャリアカウンセラーも兼務している。最近、就活者から藁をもつかむ真剣な質問が急増している。マニュアルに書かれたようなアドバイスは、就活入門者には有効でも、数十社もエントリーしている者には、呪いにもならない。ここで、かなり参考となると思われるので、古いかもしれないが本質的な課題を提供できる事例である。就活の理想解(あるべき姿)かもしれない。オイルショックのころ、ものづくり企業はパニック状態で、多くの企業が採用を激減させていた。現代と違って、就活のマニュアル本もキャリアカウンセラーも存在しなかった。唯一の参考資料が、大学の学生課が収集した先輩が書いたアンケート結果だ。当時、自動車会社を志望していたが、縁故採用以外はゼロであった。そこで、興味ある商品でなく商品開発や設計業の職種に志望を変えた。志望先に選択したのが、パナソニック、ソニーおよび工作機械メーカーであった。

 ここに逆転の発想を活用してみた。企業の求める人材とのマッチングで齟齬が生じないようにするには、そうすればよいか。マニュアル的な対応でなく、論文や面接では、自分の意思どおり、脚色せず応答した。その結果、工作機械メーカーは、役員面接まで進んだ。服装は、6月の蒸し暑い時期だったため、まだその文化のない時代にクールビズを実践した。別の学生がスーツにネクタイなのに対して、ノーネクタイで半袖シャツで臨んだ。全て本音の受け答えで通した。面接が進むにつれ、面接官の一人が、高校野球の話題を振ってきた。これで、脈があると感じた。その後、健康診断があり、係りの女性スタッフに試験の感想を聞き、「○○さんの試験結果は、トップクラスのようです。」を引出した。そして、合格通知が届いた。その数日後、パナソニックの役員面接があり、本音で応えてみたが、不合格通知が届いた。斬新な考えは認められず、求める人材と異なっていたようだ。

 最後に、飛ぶ鳥を落とす勢いがあった当時のソニーの試験を受けた。それは斬新なプログラムであった。筆記試験は、他社と似たような問題であった。違うところは、一次試験合格者に対して、保養所で合宿選考が組まれていた。その中で、専門面接とコンピテンシー(成果に直結する思考・行動特性)面接が組み込まれていた。さらに、マーケティング実践試験も課せられた。数人単位のチームに分かれて、あるテーマについて周辺地域の住宅を訪問する市場調査を行い、レポートを纏め上げるものだった。ここまでやれば、メッキは剥がれる。本音でしか立ち向かえない。そして、役員面接があり、その待合室で、30分ぐらい、人事担当者と数人で雑談をした。役員面接では、納得できる受け答えはできなかった。でも、合格通知が届いた。入社後、採用担当者と懇親会があり、役員前の雑談が、実は、コンピテンシーをチェックする本番の試験だったことが明かされた。さらに、実家の近所の人たちから、興信所の調査があったことも聞いた。子供のころの様子や家族や近所との関係などを詳しく聞かれたそうである。もう一つの謎が解けた。当時の大賀社長は、仕事の能力は最終学歴ではなく、中学、高校までの能力の方が重要だという説を唱えていたようだ。なるほど、地頭力を確実にチェックできれば、企業は必ず伸びていく。

 パナソニックやソニーの凋落は、多くの人々にとってもショッキングな出来事であろう。それは、主に経営者の選択と集中や投資などの判断力が大きな原因でああるが、人材開発の源流管理にも大きな問題が隠されている。つまり、企業への入り口である採用も企業の未来を左右している。就活に理想解はない。マスコミのムードや自身や家族の先入観で選択してもいけない。ありのままの自分を企業側に選んでもらうのも有効かもしれない。自身で選ぶにしても、企業に選んでもらうにしても、挑戦心、やりきる力、学習力、リーダーシップ力、課題解決能力などコンピテンシー(成果に直結する思考・行動特性)を、子供のころから、いかに磨くかにかかっている。例えば、「やりきる力」は、お客様や自分自身との約束を守ることも意味する。それで、信頼関係が構築でき、自信に繋がり、高い目標も達成できる。子供のころから培ってきた強みや好奇心などの自己分析と自分はどうなりたいかの真摯な想いを、紙に書き出し意識することから道は拓けるであろう。

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