2007年06月29日

渋谷温泉スパ爆発事故とリスクマネジメント

 6月19日に渋谷都心の温泉スパでの爆発事故は、人ごとではない要件を多く含んでいるようです。数人の死傷者を出し、建物は全壊しています。この後の関係者の記者会見を興味深く見ていました。この温泉を統括する女性社長は、管理会社に監理を任せていましたと言っています。管理会社は、ガス漏れは契約事項になく、点検作業は下請けに任せていましたといい、下請け会社は、ガス漏れは点検作業項目に入っておりませんと言っていました。

 後日の調査で、この温泉施設の建設前に、地元住民向けの説明会では、ガス漏れは検知器を設置し、ガスが漏れないように監理しますという文書が残されていました。社長が嘘をついているのか、このような温泉施設での安全対策について不勉強なのかわかりませんが、責任までアウトソーシングしてしまったような印象をうけました。プロジェクトマネジメントの基本を学習していない人がリーダーを務める恐怖を思い知らされました。

 ここで、プロジェクトマネジメントの責任と権限の明確化法について確認しておきます。プロジェクトで仕事を実施する場合、誰が何をいつまでに行うかを明確化することが重要です。そこで、一般的には、作業責任マトリクス(TRM:Time Responsibility Matrix)を作成します。しかし、これだけでは不十分で、責任&権限図(LRC:Linear Responsibility Chart)を作成することも忘れてはならないのです。組
織横断的なプロジェクトの場合、誰が意思決定者で実行者なのか明確化させることでプロジェクトの統制がスムーズとなってきます。失敗するプロジェクトの場合、意外とこれが抜けているケースが多いようです。

 今回の温泉の場合にも、このプロジェクトマネジメントの考え方が当てはまると思います。責任と権限を明確化して、ガス漏れという最重点課題のリスクマネジメントをうやむやにしてしまった責任は大きく、経営者は、事故犠牲者の補償問題の道筋が見えた段階で、即刻、退場すべきでしょう。また、この温泉施設の設計に携わった技術者には、法的な責任はないかもしれませんが、リスクマネジメントとの一つの考え方として、事故を予測できて、クライエントの温泉施設に提言できなかった潜在的な責任もあるのではないかと思います。
 

メインリンク:
<ぷろえんじにあHP>
 http://www.proengineer-institute.com/
<TRIZとともに13年 プロエンジニア>
 http://www.ne.jp/asahi/proengineer/skasuya/


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