2007年07月23日

新潟県中越沖地震とかんばん方式

 7月16日の午前10時ごろ、新潟県の柏崎、長岡地域に震度6強の地震が発生しました。人的被害、家屋の全・半壊被害は予想以上に大きいようです。三洋電機、富士ゼロックスなどいくつかの企業では、工場にも被害が発生し、稼動停止に追い込まれています。この中で、かんばん方式を採用している企業は、在庫がなく、トヨタ、日産、スズキなどの自動車メーカー本体に稼動停止を強いることになりました。ここで、災害のリスクマネジメントとして、在庫を持てばよいのでしょうか。

 製造業では、戦略的アライアンスや効率化のために取引先を絞り込む傾向にあります。どこか1箇所が被災し機能が麻痺すると、そこがボトルネックになり、サプライチェーンが停止してしまう恐れがあります。かんばん方式等在庫を極力持たないかんばん方式が浸透している企業では、災害時に復旧までの時間を要しているようです。今から2年前にも、中越地震の影響で新潟県にあるメーカーで部品の生産ができなくなり、トヨタの生産ラインが止まったことがあります。あるライバルメーカーは、その後も数日間にわたって生産ラインを稼働できていました。

 かんばんほうしきの後工程引き取りを簡単に説明すると、素材加工に始まり最終組み立てまで何百という工程がある中で、普通は前から後ろに製品を流して作っていきます。1つの工程が終わったら次の工程に回すわけです。 かんばん方式は、逆に考えます。後ろの工程の作業が終わったら、前の工程から次に加工や組み立てる製品を取りに行きます。工程内にムラがあったり、何らかのミスで生産が滞ったりしている場合に、普通の方法だと工程内にいくつも在庫の山ができてしまうわけです。つまり、極端に言えば、日常的に在庫の山が出来ているわけです。

 数年前の震災時に、ライバルメーカーの工場を「事故に強い」と評価する新聞も人もいました。しかし、トヨタの技術者は、「工程内に数日分もの在庫があったのか」とライバルメーカーの生産ラインにムダが多いこと知ったそうです。リスクの評価の基本は、「災害発生確率」×「被害規模」です。発生確率が高く被害規模が大きい場合には、当然、被害がでないような対策を実行するわけです。しかし、安全問題以外で、そのどちらかが極端に小さい場合には、保険をかけるか災害が起きてから最善の処理を実施すればよいわけです。


メインリンク:
<ぷろえんじにあHP>
 http://www.proengineer-institute.com/
<TRIZとともに13年 プロエンジニア>
 http://www.ne.jp/asahi/proengineer/skasuya/


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