2007年09月04日

学生の工学部離れを防ぐには

 文部科学省の調査によると、2007年度入試の工学部志願者が約27万人となり、1990年代初めの60万人の半数以下に落ち込んだことになります。大手予備校の調査分析によると、理科嫌いが増えた原因として、「楽をしたがる学生が増えた」、「ゆとり教育により、授業数が減り、理科の面白さを伝えきれていない」などがあげられていました。

 最近、文部科学省が推進し始めた施策として、地域の技術者OBが小学校の理科の授業をボランティアで手伝う制度を始めています。私の所属している技術士会もこの制度に協賛しています。また、高校でも、「スーパーサイエンスハイスクール」に約100校を指定しハイレベルな理科授業を行う制度もあります。いくつかの大学も、「工学部体験ラボ」のような試みを小中高生向けに実施したりしています。

 企業の側はどうなのでしょうか。三菱重工業、キャノン、新日鉄、日産自動車など大手製造業は、大学、修士卒に対して、再教育をし始めています。少子化や理工系離れにより十分なスキルを持つ新卒者の確保が難しくなっていることが背景にあるためのようです。団塊の世代が退職していく中で、各社の危機感は増すばかりのようです。

 IT長者や金融長者が多く輩出され、六本木ヒルズに象徴される一部の成功者にスポットが当てられ、ものづくりでこつこつ努力することがばかばかしいと感じられるような風潮が定着してしまった感があるのも事実だと思います。その背景として経済のグローバル化があげられます。ものづくりでこつこつ努力してコストダウンしても一瞬のうちに中国製品に取って代わられてしまうこともばかばかしく感じる要因ではないでしょうか。理科教育の基礎は学校で「興味」や「面白さ」も含めて履修し、応用教育は企業のカリキュラムで「やりがい」も含めて教育することが求められていると考えます。

メインリンク:
<ぷろえんじにあHP>
 http://www.proengineer-institute.com/
<TRIZとともに13年 プロエンジニア>
 http://www.ne.jp/asahi/proengineer/skasuya/
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posted by proengineer at 00:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学生の工学部離れを防ぐにはの記事を拝見いたしまして、理系の連帯ブログでご紹介させていただきました。

工学部離れを食い止めるには、工学部の人気を高める必要があり、そのためには教育も重要ですが、技術者等の地位向上が重要と考えます。
Posted by 理系の連帯ブログ at 2007年09月13日 20:46
学生の工学部離れを止めようと思ったら、まず、企業が研究者や技術者の待遇を海外の企業並に高めない限り、難しいと思う。経営者に文系出身者が多いのも待遇改善が進まない大きな原因だと思う。旧帝大や早慶などのトップレベルの理系を目指す子の学力に関しては、昔とそれほど変わらない。ゆとり教育で学力を落としているランクは中堅校以下の子たち。これから技術者としてやっていくなら、少子化の時代だからこそ、出来るだけ上のレベルの大学や院へ進学してもらいたい。
Posted by taka.BRK at 2007年10月15日 17:41
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