2008年03月08日

新幹線誘致は地方の利益となるのか

 富山県では、一部の国道の高架化に反対の住民運動が起きています。国土交通省が数百億円も使い、朝の10〜20分の渋滞緩和のために高架とする計画から約3ヶ月で着工したいということのようです。住民は誰も頼んでない事業ということのようです。住民側の主張は、数百億円は別の使い道に使って欲しいということのようです。だが、客観的に考えると、道路特定財源のため、道路以外には使えないようです。この例は、何のためにやるのかが希薄な典型的な事例でしょう。それと同じように、新幹線の誘致にも大きな問題点が潜んでいます。

 長野県では、長野新幹線が出来て東京までの所要時間が約90分となりました。プラス面では、アクセスが便利になったと喜ぶ人もいます。いっぽう、マイナス面も計り知れません。例えば、企業の多くが支店を東京へ引き上げ、空きビル化や商店街のシャッター通り化が促進されてきました。残るのは、地方自治体が負担した新幹線設置に使った借金だそうです。東京から日帰り出張で十分な距離に変身してしまったのです。さらに、金沢まで新幹線が延長されると、長野は素通りされる懸念があることです。このままでは、東京から出張したり、東京へ出かける人には多大な恩恵となるが、地方の活性化には必ずしも役立っていないということになります。

 ところで、みなさんはリスクマネジメントという言葉を聞く機会が増えていると思います。グローバルな何が起こるかわからない現在ほど、この言葉の重要性が増しています。最近では、食品材料の偽装問題でミートホープという会社が倒産したり、イージス艦と漁船の衝突問題で大臣の首が飛びそうになっていたり、中国製毒入り餃子の対応問題で苦戦したりしています。これらは皆、もしこういう問題が起きたらどうしなければいけないかとの発想力や地頭力の一つの能力とされる仮説思考力の欠如が原因だと思われます。この能力がリスクマネジメントに必須のものなのです。

 リスクには、品質や設備などの経済性管理に起因するリスク、人や情報の管理の失敗に起因するリスク、労働災害や自然災害のリスク、環境リスクなど幅広い領域のリスクがあります。発生確率が小さく、被害規模も小さい場合には、何もしないばあいが多い(許容領域)。発生確率が高く被害規模が小さい場合、および、発生確率が小さく被害規模が大きい場合には、人間ドックで言われる経過措置に相当する様子をみる(保有領域)措置や保険をかける(移転領域)措置があります。さらに、発生確率が高く、被害規模が大きい場合には、当然、設備投資、組織改革、教育訓練、マニュアル作成などの具体的対応策が必要になります。新幹線を誘致する前に、中途半端でないこれらのシュミレーションをしておく必要性が高くなっています。

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