2008年03月19日

マイクロソフト社の方針転換にみる知財のオープン化は進展するのか

 米マイクロソフトは、パソコン用基本ソフト(OS)など主要製品の技術情報を原則として無償公開すると発表しました。これにより他社は互換性のあるソフトを自由に開発できるようになります。いままで、自社ソフトを知的財産として囲い込み、競争力の源泉としてきました。技術情報の開示の対象には、パソコン用OSの「ウィンドウズ・ビスタ」やサーバー用OS、ワープロや表計算に使う業務ソフト「オフィス」など主要製品すべてが含まれています。

 具体的には、これらの企業向け製品の全API(application programming interfaces)と通信プロトコルを自社のWebサイト上で公開し、開発者がライセンス使用料や特許使用料を支払うことなくアクセスできるようになります。従来は営業秘密に関するライセンス供与を受けなければアクセスできなかったWindows Client製品とWindows Server製品のプロトコルを記述した3万ページ以上の技術文書を公開し、Office 2007などの製品のプロトコルも今後数ヶ月内に公開する予定としています。

 いっぽう、米IBMは、同社が保有する500件の特許を,オープンソース・ソフトウエアが無償で利用することを許可すると発表しています。Linuxに対しては、既に特許の利用を許可すると宣言していたが、今回はOpen Source Initiative(OSI)の定義を満たすすべてのオープンソース・ソフトウエアを対象にするということのようです。 知的財産権を、世界中の開発者の協業に基づく革新、相互運用、オープン・スタンダード、オープンソース・ソフトウエアを促進することは、市場を活性化するとの考えからだそうです。

 IBMはLinuxを搭載したサーバーを販売し、マイクロソフトは直接Linuxと競合するOSを提供しているわけです。それぞれの企業の戦略として自然なものでしょう。 どちらが社会全体の利益を最大化できるのでしょうか。なぜなら、新しい技術や革新は必ずしも企業から生まれるわけではないでしょう。インターネットの基盤となるIPやWWW、RISCなど大学や研究所から生まれた技術は数多くあります。企業や大学・研究機関とのシナジーを発揮して、社会生活の効率化や市場の活性化のためには、もっともっと知財のオープン化が望まれます。


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posted by proengineer at 00:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。
Posted by なお at 2009年04月04日 20:19
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