2008年04月04日

モディリアーニに鑑る抽象化思考力

 3月31は、関東地方が雨の降る真冬の寒さに見舞われました。桜は満開だというのに花冷えのする寒い一日でした。この寒さだと展覧会への人の出足も鈍るだろうと思い、家族と一緒に、新国立美術館の「モディリアーニ展」に出かけました。仮説通り、来館者は少なく、ゆったりと見学することができました。30代と40代にも2度、モディリアーニは鑑賞していましたが、50代では、視点がこうも違うものかと思いました。

 モディリアーニといえば、面長の埴輪風の肖像画が特徴の画家ですが、若いころは、ピカソと同じように写実的な絵画をたくさん描いていたようです。絵画のためのたくさんの素描によれば、基本をしっかり鍛えていたことがわかりました。そのうちに、アフリカ美術に興味を惹かれ影響されるようになってきたわけです。ピカソやマリーローランサンなどとの親交により、お互いの画風にも影響しあっていたような気がします。最終的、素朴な線で人間性まで表現してしまう画風になっていったようです。

 モディリアーニは、1906年ごろから1920年まで活躍した画家でした。イタリアからパリに出てきて、美術学校で学び、約14年間活躍して36歳という若さで他界してしまいました。生存中は貧乏で、何人かの画商に画材や生活費の援助を受けて、画を描き続けてきたようです。今回の展覧会に出品された作品をみると、キャンバスでなく、厚紙や新聞紙などに直接描いた絵画が多く、生活の苦しさを証明していました。

 使用した絵の具の種類は少なく、面の分割と線による特徴を捉えた人物像は、素朴で、人間味も鮮やかに描き出しています。面と線の抽象化により、人物の内面の深さをえぐり出そうとしている様がひしひしと伝わってきました。面と線を抽象化することによって、そこから見る人に想像力を発揮させようとしているように感じます。正に、思考法の基本スキルである抽象化思考力と共通していると考えられます。


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