2008年04月09日

人事部は必要ないのか

 実際に人事部をなくしてしまった企業が、積水化学工業です。ユニット型住宅「セキスイハイム」や住宅建材、高機能プラスチックなどで知られています。2007年1月、人事部を廃止し、本来の残すべき人事機能を人材グループとしてCSR部の中に移しました。「せっかく積水化学を選んだ従業員が、うっとうしいなと毎日思って会社に来て、いい仕事をするわけがない。また、人事部は人事部で人事考課をつけたり、異動させたり、社員を管理することが仕事と思っている。本人の持っている能力や可能性は氷山のようなもの。海の下に潜んでいる9割をどう発揮させるか。そういうことをやろうよ」と社長が言っていたそうです。

 社員がいい仕事をすれば業績がついてくると社長は思っています。いい仕事とは、従業員がその仕事に惚れ込んで、その意味をきちっと理解して進めていくことです。従業員をそういう方向に持っていくにはどうすればいいか。それを考えると、人事部が異動や人事評価といった人事管理を行う権限をもつというのは不可思議な話かもしれません。部下の仕事ぶりを知っているのはそのライン長です。ライン長が従業員を育てるという意識をしっかり持って仕事をしていくことがあるべき姿なのでしょう。その証拠の一つとして、人事部のほとんどの機能をアウトソーシングしてしまった企業も増えてきています。

 意思に重要なのはコーチだとも言っています。マラソンの高橋尚子選手は積水化学に6年所属していました。その6年で6回優勝しています。その時の彼女には優秀なコーチがいました。ただ、今はコーチがいなくなって苦労しています。オリンピック選手でさえ、コーチで変わってしまう。ラインの中で上司や先輩が的確なコーチをし、本人も研鑽をして、成長し合うことが企業の成長につながるのだと思います。

 では、従業員の意思、上司のコーチ能力、リーダー育成をやればいいのでしょうか。それだけではなく、新しい事業を作り出す人材が企業には必要です。係長、課長、部長、事業部長の階段を上がって行くほど、TRIZ用語でいう「心理的惰性」が働き、創造性はなくなっていくようです。従業員本人の学習と研鑽、上司や先輩の的確なコーチ、新事業を創造できる尖がった人材の許容と輩出の風土としくみづくりの3者が噛み合うことを考えていきましょう。


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posted by proengineer at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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